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【3分で読める短編小説】思い出クリーナー<前編>

話し声が聞こえる。

安アパートなので
隣の部屋の声だと思った。

さらに話し声が聞こえる。

いや
しゃべりかけているようにも感じる。

もうすでに夜中の1時。

普通に怖い。
僕は布団にもぐった。

しかしまだなにか
話している。

「ねぇねぇ」

さらに布団をかぶる。

しかし
まだ話しかけてくる。

「いいこと教えてあげるから」

ちょっとベクトルの違うことを考えたがまだ怖い。

「せっかく私を買ってくれたんだから」

私を買ってくれた?
なんのことだ。
最近なんか買ったか?

自問自答している僕に
追い打ちをかけてくる。

「近くのリサイクルショップでだよ」

リサイクルショップ?
あ、あれだ。
掃除機だ。

「掃除機だよ」

やはり当たっていた。
いや待て。

正体が掃除機だとしても
この状態、意味がわからない。

なんだ掃除機って。
どう考えたっておかしい。

「いま起きればいいこと教えてあげる」

いいこと?
さっきからちょいちょいなんだ。

掃除機と変なことを想像している
自分を恥ずかしい。

じゃあカウントダウンするよ

「3、2、1・・」

もういいやと思い
ふとんをどけた。

そこには掃除機ではなく
可愛い女の子がいた。

 

掃除機クリーナー

可愛い子
「あっ 起きてくれたー」

「え…(可愛い)」

可愛い子
「掃除機だよー」

「掃除機じゃないですよね」

可愛い子
「正確に言うと
 掃除機の擬人化かなっ」

正直ほっとした。
掃除機に目がついているよりも良かった。

それにしても可愛い。
可愛い過ぎる。

可愛い子
「ねぇ、良いこと教えてあげる
 ってことに反応したんでしょ?」

「えっ違いますよー」

ダメだ。
冷静にしようとしても顔がにやける。
でも気になる。

可愛い子
「じゃあ、教えてあげない!」

「やっぱ気になります。
 教えてください」

可愛い子
「私ね。人の嫌な思い出を
 吸い取ることができるの」

「う、うん」

可愛い子
「いまいちまだ
 わからないよね」

正直、
この状況もまだはっきりわかってないが

可愛い子
「例えば君の嫌な思い出
 ってなにかな?」

「えーと
  恥ずかしいですけど
 彼女に先月振られたことです」

可愛い子
「それ悲しいね♡、
 よちよちしてあげましょうか」

正直やってほしい。

可愛い子
「冗談はさておき
 その記憶を吸い取ることができるの」

「結構本気ですごいですね」

彼女に先月振られてまだ傷が癒えていない
僕には本当にやってほしいことだ。

可愛い子
「試しに消してみる?
 ちなみに私は一度消した
 記憶は戻す能力がないけどね」

「ちょっと怖いです。ほか…」

可愛い子
「じゃあやるよー 
 えい!」

「あっっーーーー」

可愛い子
「はい完了♡」

急に頭が真っ白になり、
どんな状況か分かっていない。

「僕、今なにされたんですか?」

可愛い子
「彼女との振られた悲しい記憶を
 吸い取ってあげたの」

彼女なんかいたっけ?

可愛い子
「あんまりよくわかってないかな。
 とりあえず悲しい記憶がなくなったの
 大丈夫だよ♡」

まあ悲しい記憶がなくなったらしい。
大丈夫かな。

可愛い子
「他にも忘れたい記憶ってあるかな?」

「あっ大丈夫です」

可愛い子
「そっかー、また消したい記憶があったらいってね。
 じゃあ掃除機に戻るからね」

バンっ

いなくなってしまった。

とりあえず寝よ。

作成者モモコグミ(@gumimomoko

次回に続く 

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